物理基礎 [分析] 2020年度大学入試センター試験速報 | 大学入試解答速報
第3問で斜方投射とゴムひもをつけた小球の運動が初めて出題された。
教科書では数式を扱わず現象説明のみである斜方投射に関して、丁寧な誘導付きで定量的に計算させる問題が出題された。ゴムひもをつけた小球の運動は教科書に記載されていないが、小球のはじめの運動やゴムひもの弾性力が記述され、その運動が問われた。
難易度
昨年並み
斜方投射やゴムひもをつけた小球の運動の問題は初めて出題されたが、過去問と類似した解きやすい問題もあり、全体としての難易度は昨年並み。
出題分量
出題形式・設問数は変わらず、マーク数が一つ減った。
出題傾向分析
小問集合1題と、A、B分けされた分野別問題2題の、大問3題構成。
基本的な知識問題、数値計算問題、文字計算問題、定性的思考問題がバランスよく出題された。
小問集合ではさまざまな分野から出題され、幅広い学習を問われている。
2020年度フレーム(大問構成)
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
1 | 小問集合 | 20 | 5 | 各分野の基本問題 |
2 | 様々な物理現象とエネルギーの利用 | 15 | 4 | A 波の性質 |
B 直流回路 | ||||
3 | 物体の運動とエネルギー | 15 | 4 | A ゴムひもをつけた小球の落下 |
B 斜方投射 | ||||
合計 | 50 | 13 |
2019年度フレーム
大問 | 分野 | 配点 | マーク数 | テーマ |
1 | 小問集合 | 20 | 5 | 各分野の基本問題 |
2 | 様々な物理現象とエネルギーの利用 | 15 | 4 | A 気柱の共鳴 |
B 直流回路 | ||||
3 | 物体の運動とエネルギー | 15 | 5 | A 模型機関車の運動の考察 |
B 異なるすべり台上での小物体の運動の比較 | ||||
合計 | 50 | 14 |
設問別分析
第1問
さまざまな分野からの小問集合。基本的な知識・理解を問う問題である。
問1は3本のばねでつるされた小球における力のつり合いの問題。
問2は静止していた小物体に同じ大きさの力を異なる方向に加え、1秒後の運動エネルギーの大小を問う問題。
問3は送電の仕組みに関して正しい語句を選ぶ、組合せ問題。
問4は2つのおんさによるうなりの周期と、周期の間の波の数の差を問う問題。
問5は熱に関して正しい文章を選択させる知識問題。
小問集合では、幅広く基本的な知識や考え方が問われる。公式だけではなく、原理や現象に関する知識や、図やグラフも合わせた定性的な理解が必要である。
第2問
A 波の速さの計算と重ね合わせの原理の問題。問1はグラフから波の速さを求める問題で解きやすい。問2は2つのパルス波の進行を丁寧に追うことが必要となる。
B スイッチの開閉を伴う直流回路の問題。問3は回路の基本問題である。電流が流れていない抵抗の電圧は0になる。問4は合成抵抗、消費電力の公式を用いる問題である。
教科書に記載されている公式は正確に理解することが大切である。
第3問
A ゴムひもでつるされた小球の落下運動。問1は小球の自由落下運動での落下時間を求める問題。問2は小球が最下点に達したときのゴムひもの伸びが(h−l)であることに注意し、力学的エネルギー保存則を用いる問題。
B 小球の斜方投射ではあるが、問題文中に水平方向と鉛直方向の運動が丁寧に説明されているため難しくはない。問3は等速運動、問4は鉛直投げ上げの式を使えば正解が得られる。
力学分野は基本法則・原理をよく理解し、丁寧に考察することが大切である。
19年度 | 18年度 | 17年度 | 16年度 | 15年度 |
30.6 | 31.3 | 29.7 | 34.4 | 31.5 |