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倫理 [分析] 2019年度大学入試センター試験速報 | 大学入試解答速報

思想内容の理解や読解力を重視する問題構成は変わらず。

全体の問題数は36問で昨年と同じ。昨年同様、すべての大問において本文読解問題と資料文読解問題が1問ずつ出題された。また、グラフ読み取り問題が1問出題された。

難易度

やや難化

昨年同様に、倫理で学ぶ基本的な人物を中心とした内容となっているが、西田幾多郎の絶対無など多くの受験生が理解していない用語もみられた。

出題分量

大問数、設問数ともに変化なし。

出題傾向分析

昨年は8択問題が4問あったが今年はなくなり、選択肢数は多くても6択であった。また、選択肢の短文が2行の問題が増え、短文正誤問題の正誤の判別がしやすくなった。新傾向の問題はみられず、従来のセンター試験の出題傾向を踏襲するものであった。

2019年度フレーム(大問構成)

大問 分野 配点 マーク数
1 現代社会の諸課題と青年期 28 10
2 源流思想 24 9
3 日本思想 24 9
4 西洋近現代思想 24 8
合計 100 36

2018年度フレーム

大問 分野 配点 マーク数
1 現代社会の諸課題と青年期 28 10
2 源流思想 24 9
3 日本思想 24 9
4 西洋近現代思想 24 8
合計 100 36

設問別分析

第1問

「現代の家族」をめぐる会話文をもとに、青年期の心理、生命倫理、社会における支え合い、現代日本の家族のありかた、坂口安吾の思想などが問われた。グラフ読み取り問題(解答番号3)は取り組みやすいものであったが、人工授精についての設問(解答番号2)や、核家族についての設問(解答番号6)はやや難しいものであった。また、現代思想分野から、レヴィ=ストロースとフーコーの思想についても出題(解答番号8)されたが、深い内容までは問われなかったため、難しいものではなかった。

第2問

「病と癒し」をテーマとした本文をもとに、東西の源流思想に関する基本事項が幅広く出題された。設問の多くが教科書を中心とする学習で対応できるものであった。荘子についての出題(解答番号14)は、他の選択肢中に「五常」や「五蘊」といったやや正誤判断の難しい用語が含まれていた。

第3問

「心と行為」をテーマとした本文をもとに、日本の神話、仏教思想、近世思想、近代思想など日本思想分野から幅広く問われた。ほとんどの設問は、教科書の学習の範囲内で解けるものであったが、西田幾多郎の「無の場所(絶対無)」についての出題(解答番号27)は、思想内容を深く問うものであったため難問であっただろう。日本の美意識についての問題(解答番号23)は選択肢の文を冷静に読めば正解可能であった。また、教科書の掲載が少ない会沢正志斎の思想についても出題されているが(解答番号25)、正解の吉田松陰の思想は教科書の学習の範囲内であり、問題自体は難しいものではなかった。

第4問

「運命」をテーマとした本文をもとに、マキャヴェリ、ベーコン、ライプニッツ、ヘーゲル、ダーウィンなどについて問われた。他の大問と同様、ほとんどの設問は、教科書の学習の範囲内で解けるものであった。ただし、ヘーゲルの思想についての出題(解答番号32)は「理性の狡知」や「人倫」についての理解を問う発展的な学習内容を含んでおり、受験生にとっては難問であっただろう。また、ニーチェの「運命愛」に関する九鬼周造の資料文問題(解答番号33)は独特の文体であり読解しづらいものであったと思われる。

過去の平均点の推移

18年度 17年度 16年度 15年度 14年度
67.8 54.7 51.8 53.4 60.9