2018年度大学入試センター試験 倫理 [分析]
思想内容の理解や読解力を問う問題構成は変わらず。

全体の設問数が37問から36問に減少した。昨年同様、すべての大問において本文読解問題と資料文読解問題が1問ずつ出題された。加えて、統計資料読解問題が1問出題された。
難易度 易化
現代思想分野を強く意識した昨年の出題に比べ、倫理で学ぶ基本的な人物や思想を中心とした出題となっている。三宅雪嶺など多くの受験生が思想内容まで理解していない人物も出題されているが、正解とはならない選択肢に他の思想家のキーワードが示されており、正答できるだろう。第3問の資料文読解問題が古文や擬古文でなくなるなど、資料文読解問題が全体的に取り組みやすいものになった。

出題分量
大問数は変化なし。設問数は37問から36問に減少。

出題傾向分析
昨年は組合せ問題が10問出題されたが、今年は8問となり2問減った。昨年は、10問すべてが8択問題であったが、今年は、4択問題が1問(解答番号4)や6択問題が3問(解答番号18、21、32)となり、8択問題が減った。また、4択問題も短めの選択肢を中心とした出題になっている。全般的に学習範囲から偏りなく出題されている。また例年に比べ取り組みやすい出題になっている。
いずれにせよ、倫理の学習においては、人名やキーワードの暗記のみならず、思想内容や思想史の流れを正確に理解しておくような学習を心がける必要がある。
2018年度フレーム(大問構成) 2017年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 大問 分野 配点 マーク数
1
現代社会の諸課題と青年期
28
10
1
現代社会の諸課題と青年期
28
10
2
源流思想
24
9
2
源流思想
24
9
3
日本思想
24
9
3
日本思想
24
9
4
西洋近現代思想
24
8
4
西洋近現代思想
24
9
合計  100 36 合計  100 37
■設問別分析
第1問
「優しさ」をめぐる会話文をもとに、現代社会論、ヒューマニスト、青年期の自己形成、環境問題、センの思想などが問われた。統計資料読解問題(解答番号7)は、例年に比べ取り組みやすいものになっている。センの思想を問うた設問(解答番号9)は、すべての選択肢に「潜在能力」というキーワードが出ているため、その正確な理解がないと正答できず、やや取り組みにくかっただろう。現代社会の課題について問うた設問(解答番号1、5、6)に見られるように、倫理の学習においては思想家にばかり注目するのではなく、倫理思想と現代社会との関わりについても意識した学習が求められる。
第2問
「他者の生を模範とする生き方」をテーマとした本文をもとに、東西の源流思想に関する基本事項が幅広く出題された。設問の多くが教科書の範囲内の学習で対応できるものであった。ただし、人々に生き方の指針を示してきた書物を問うた設問(解答番号11)のイザヤは、受験生にはあまりなじみのない人名であっただろう。八正道を問うた設問(解答番号16)は、細かい内容が問われているように見えるが、消去法で容易に正答できる。人間の欲望に関する先哲たちの洞察を問うた設問(解答番号18)におけるプラトン(短文イ)については、正誤が判断しづらかっただろう。
第3問
「教え」をテーマとした本文をもとに、日本の神話、仏教思想、近世思想、民衆思想、近代思想が幅広く問われた。三宅雪嶺を問うた設問(解答番号26)は、多くの受験生が思想内容まで理解していない人物であるため、やや取り組みにくいかもしれない。資料文読解問題(解答番号27)は、昨年まで古文や擬古文の読解が続いていたが、今年は現代文の読解となっており、比較的取り組みやすかっただろう。第3問の日本思想に関しては、基本的な人物についての学習はもちろんのこと、教科書の脚注に記載されている人物についても確認しておくような綿密な学習が求められる。
第4問
「遊び」をテーマとした本文をもとに、ヘーゲル、ロック、カント、ウィトゲンシュタイン、ベルクソンの思想などが問われた。ロックを問うた設問(解答番号30)やウィトゲンシュタインを問うた設問(解答番号34)は取り組みにくそうに見えるが、正解にならない選択肢において他の思想家のキーワードが示されているため、消去法で正答できるだろう。昨年はやや現代思想を重視した出題であったが、今年は近代思想を中心とした出題になっている。教科書の読解を中心にした着実な学習をしてきた受験生には取り組みやすかっただろう。
■過去の平均点の推移
17年度 16年度 15年度 14年度 13年度
54.7  51.8  53.4  60.9  58.8 
※今年度の予想平均点速報はこちら
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