2018年度大学入試センター試験 生物 [分析]
問題の文章量が増加し、文章読解力が要求された。

問題の総ページ数や問題文の行数が増加し、総選択肢数も増えた。
難易度 やや難化
選択肢の数が4個の設問が大幅に減少し、代わりに、選択肢の数が6個以上の設問が増加した。また、解答に時間を要すると思われる考察問題も出題された。

出題分量
問題の総ページ数、問題文の行数、図と表の数、総選択肢数がいずれも増えたため、全体の分量は増加した。

出題傾向分析
「生命現象と物質」、「生殖と発生」、「生物の環境応答」、「生態と環境」、「生物の進化と系統」の5分野から幅広く出題されていたが、「生態と環境」と「生物の進化と系統」の分野からの出題が多かった。
2018年度フレーム(大問構成) 2017年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 テーマ 大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1
生命現象と物質
18
3
3
A タンパク質
B 遺伝子
1
生命現象と物質
18
3
3
A タンパク質
B 遺伝子
2
生殖と発生
18
3
3
A 両生類の発生
B 被子植物の生殖
2
生殖と発生
18
3
4
A 動物の発生
B 重複受精・遺伝
3
生物の環境応答
18
3
4
A 筋収縮
B 植物の病害抵抗性
3
生物の環境応答
18
3
3
A 神経
B 種子発芽
4
生態と環境
18
3
3
A 生態系の物質生産
B 種間関係・生物多様性
4
生態と環境
18
3
3
A 種間関係
B 種間関係・生物の多様性
5
生物の進化と系統
18
3
3
A 分子進化・集団遺伝
B 進化のしくみ・植物の系統
5
生物の進化と系統
18
3
3
A 生物の変遷・動物の系統
B 集団遺伝
6
生命現象と物質
10
3
遺伝子組換え実験
6
生命現象と物質
10
3
遠心分離技術
7
生態と環境
生物の進化と系統
10
3
個体群・生物の進化と系統
7
生物の環境応答
生物の進化と系統
10
4
動物の行動・動物の系統
合計  100 34 合計  100
■設問別分析
第1問
Aはタンパク質の構造と機能に関する知識問題、BはDNAの複製と遺伝子の発現に関する知識問題と考察問題であった。問1はインスリンの構造に関するやや細かい知識を要求する問題であった。問5は2本鎖DNAとそこから転写されたRNAとの塩基の相補性をふまえ、RNAに含まれる特定の塩基の比率を計算させる問題であった。
第2問
Aは両生類の発生に関する知識問題と考察問題、Bは被子植物の生殖に関する知識問題と考察問題であった。Bで出題された被子植物の花粉管伸長については2015年度・2016年度の本試験でも扱われているテーマであり、過去問の演習が重要である。また、今年は遺伝の出題がなかったが、演習を怠らないようにしよう。
第3問
Aは筋収縮に関する知識問題と考察問題、Bは植物ホルモンと植物の病害抵抗性に関する知識問題と考察問題であった。問5の植物の病害抵抗性に関する問題は、与えられた文章と実験データから考察する必要があり、このようなタイプの問題を解き慣れていない受験生には解きにくかったと思われる。センター試験の過去問などを利用した問題演習が有効である。
第4問
Aは生態系の窒素循環と物質生産に関する問題、Bはカッコウのカラスへの托卵と生物多様性に関する問題であった。Bの托卵に関する問題ではデータから種間関係について考察することが要求され、生物多様性に関する問題ではやや細かい知識が問われた。Aの物質生産に関しては、単に式を丸暗記するだけでなく、式中の各項目の意味を理解し、問題演習を重ねておくことが必要である。
第5問
Aは分子進化と集団遺伝に関する知識問題と考察問題、Bは植物の系統と適応に関する知識問題と考察問題であった。問2は種Aと種Bと種Cで異なる塩基数から考える。問4は種Eの強光下と弱光下での生存率が同じであることに着目する。教科書の内容を理解し、集団遺伝や分子系統樹、進化に関する考察問題に数多くあたっておこう。
第6問
抗生物質耐性遺伝子を組み込んだプラスミドと抗生物質により、プラスミドが導入された大腸菌だけを選別する遺伝子組換え実験に関する問題であった。問3は寒天培地Aではプラスミドを取り込んでいない大腸菌もコロニーを形成することに注意する。
第7問
鳥類を題材とした、学名と縄張りに関する知識問題と、雌による繁殖相手の選び方の進化に関する考察問題であった。問3は、仮説を検証するために行われた実験の結果を考察する問題であり、設問文中の「実験1〜3の結果は、仮説を支持するものであった」という内容をもとに考える点がポイントであった。多くの考察問題を解くことで考察力をつけておこう。
■過去の平均点の推移
17年度 16年度 15年度
69.0  63.6  55.0 
※今年度の予想平均点速報はこちら
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