2018年度大学入試センター試験 物理 [分析]
選択問題は力学分野と原子分野であった。問題の分量は増加した。

例年どおり選択問題の第6問には原子分野が出題されたが、第5問は力学分野であった。設問数・マーク数は変わらなかったが、組合せ問題が増加し、また時間をかけて丁寧に考えないと正解できない問題が増加したため、解答時間に余裕はなかったであろう。
難易度 昨年並み
一見して解答の方針が立てられる問題や、知識だけを問う問題が少なくなり、状況を正確に把握し、式を立てて計算を行わないと正解できない問題が増加した。しかし、部分点が与えられたこともあり、平均点はほぼ昨年並み。

出題分量
設問数、マーク数は変わらなかった。しかし、組合せ問題の数は10問であり、昨年に比べてほぼ倍増したため、実質的な分量は増加した。

出題傾向分析
必答問題は小問集合、電磁気、波動、力学・熱の4題で、選択問題は力学と原子から1題を選択するという構成であった。 選択問題のうちの1題は原子が継続して出題されているが、もう一方の1題では熱、波動、力学がこれまでに出題されており、定まっていない。また、選択問題は例年取り組みやすい問題が多かったが、本年はやや難しかった。
2018年度フレーム(大問構成) 2017年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 テーマ 大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1
小問集合
25
5
各分野の基本問題
1
小問集合
25
5
各分野の基本問題
2
電磁気
20
4
A コンデンサーを含む直流回路
B 落下するコイルの電磁誘導
2
電磁気
20
5
A コンデンサー
B 電磁誘導とダイオード
3
波動
20
6
A 正弦波、波の反射、定常波
B 光の干渉
3
波動・熱
20 
5
A くさび形薄膜による光の干渉
B 気体の状態変化
4
力学・熱
20
5
A あらい水平面上での単振動
B ばね付きピストンによる気体の状態変化
4
力学
20
5
A 円錐面上の小物体の運動
B エレベーター内の物体にはたらく力
5
力学
15
3
万有引力とケプラーの法則
5
波動
15
3
ドップラー効果
6
原子
15
3
原子核の崩壊と素粒子
6
原子
15
3
放射線と原子核反応
合計  100 23 合計  100 23
■設問別分析
第1問
さまざまな分野からの小問集合。
問1は運動量保存則と運動エネルギーに関する問題。 問2は音波の回折の具体例を問うているが、1オクターブという言葉があったり、正誤を判別しづらい選択肢がある。問3は4つの点電荷によるそれぞれの電場を作図し、合成電場の向きを求める問題。問4は気体分子の平均運動エネルギーと絶対温度の関係、また2乗平均速度と分子量の関係を問う組合せ問題。問5は重心の位置に関する問題。質量が面積に比例することを利用する必要がある。
第2問
A コンデンサーを含む直流回路の問題。問1はコンデンサーの充電過程における電流の時間変化を表すグラフの選択問題、問2はエネルギー保存則から抵抗で発生するジュール熱を求める問題で、いずれも基本的である。
B 落下して磁場に進入するコイルにおける電磁誘導の問題。本問では、コイルが磁場に進入している間、一定の電流が流れ、磁場から受ける力と重力がつり合っていることに気づくことがポイント。現象を正しく考察できているかが試されている。
第3問
A 正弦波の進行波と定常波に関する問題。問1は時刻0の波形から初期位相を決定し、1/4波長進むのに要する時間が1/4周期であることに気づければ早く解ける。問2は時間を少し経過させると定常波の腹・節の位置がわかる。問3は見慣れない問題だが、基本振動と2倍振動の波形変化を捉え、それらを重ね合わせればよい。
B レーザー光の干渉の問題。強め合いの状態から、光路差が一波長分ずれると、再び強め合いの状態になることがポイント。
第4問
A あらい水平面上でばねにつながれた小物体の問題。問1は最大摩擦力と弾性力のつり合いを考えればよい。問2は運動する小物体にはたらく合力の式から振動中心と周期を捉えられればよい。
B ばね付きピストンによる気体の状態変化の問題。問3は力のつり合いからばね定数を求め、状態方程式で式変形をすればよい。問4と問5は基本問題である。
第5問
太陽を周回する惑星の運動に関する問題。
問1はケプラーの第二法則の問題。問2は惑星の運動エネルギーと万有引力による位置エネルギーのグラフ選択問題。万有引力による位置エネルギーは、公式を知っていれば選択することができ、運動エネルギーは力学的エネルギーが保存されることを用いて選択すればよい。問3は等速円運動する惑星の速さと、等速円運動と楕円軌道を運動する惑星の力学的エネルギーの大小を問う組合せ問題。
第6問
原子核と素粒子に関する問題。
問1は原子核と素粒子に関する文章選択問題。質量欠損に関する知識があれば、素粒子や基本的な力の知識がなくても正答を選ぶことができる。問2は放射性崩壊に関する基本問題。問3は放射性崩壊をさいころを使った模擬実験に関する組合せ問題。複数の教科書の探究活動に扱われているが、半減期を扱ったモデルであることに気づけば正解を選びやすい。
■過去の平均点の推移
17年度 16年度 15年度
62.9  61.7  64.3 
※今年度の予想平均点速報はこちら
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