2018年度大学入試センター試験 国語 [分析]
現代文(評論)の本文で図が付され、空欄補充という新傾向の問題が出題された。
現代文は易しくなったが、古文は難化し、国語全体としては昨年並み。

<現代文>第1問(評論)は、さまざまな具体例を挙げながら、現実をデザインするという人間の本質について論じた文章が出題された。文章には、2つの図(写真)がついており、また問3ではその図に関連して、生徒の話し合いが紹介され、そのうちのひとりの発言が空欄補充問題となっているという、これまでにない設問になっている。第2問(小説)は、現代の女性作家による短編小説の一節から出題された。昨年・一昨年は古い時代の小説からの出題だったが、それに比べればかなり読みやすい文章である。
<古文>問答体で書かれた歌論であった。
<漢文>昨年度は日本漢文が出題されたが、中国の文章からの出題に戻った。語の読みの問題は出題されなかった。
難易度 昨年並み
<現代文>第1問(評論)は、昨年より400字あまり長くなっているが、全体としては読みやすく易しくなった。第2問(小説)は、傍線部前後の内容を根拠にして作られたと思われる設問が多く、全体として易しくなった。ただし問3・問5では、誤りである根拠がさほど明確ではない選択肢がある。
<古文>本文は歌論ということもあって、昨年の『木草物語』よりも解きにくい。特に問4・6は内容についての説明問題であるが、筆者の主張を正確に把握して、正解の根拠を見極めるのが難しい。
<漢文>内容はやや抽象度が高かったが、本文・設問とも難易度に変化はなく、昨年並みと言える。

出題分量
第1問(評論)は、昨年より400字あまり長くなっており、これまでのセンター試験で最も長いものであった。第2問(小説)は、本文量は約4750字で、昨年とほぼ同じ、設問数も昨年と同じであり、選択肢の長さもさほど変わってはいない。第3問(古文)は、本文量が1300字ほどで、昨年より約150字減少した。第4問(漢文)は、本文が187字で11字減少、設問数・マーク数とも昨年と同じであった。

出題傾向分析
<現代文>第1問(評論)は、昨年は科学論が出題されたが、今年は「文化心理学」を論じた文章が出題された。本文に図が付されており、また設問でも生徒の話し合いが紹介され、空欄補充問題が出題されるなど、入試改革の方向性を踏まえた出題もみられた。第2問(小説)は、現代の女性作家による短編小説の一節から出題された。昨年、一昨年の問題に比べると本文は読みやすく、設問もあっさりしたものになった。ただし、この傾向が今後も続くとは限らないであろう。
<古文>近世の国学者である本居宣長の歌論『石上私淑言』からの出題であった。本試験での歌論の出題は2001年度以来である。この作品は、和歌とはどのようなものかについて問答体の形式で述べたものだが、本文は、恋の歌が多いことについて、「情」と「欲」という語を使いながら、歌は「情」から生まれるものだからだと結論づけた内容である。特に難しい表現はないが、正確な読解が求められた。昨年は本文に和歌があり設問にもなっていたが、今年は和歌が本文にも設問にもなかった。
<漢文>南宋の李●(とう)の歴史書から出題された。北宋の政治家寇準の宰相就任について、王嘉祐の示した政治的な見識の高さを論じた逸話であった。テーマは漢文としてオーソドックスなものであったが、やや抽象度が高い内容であり、選択肢の正誤判断が難しい問題もあった。設問は、語の意味、書き下し文、解釈、内容説明、理由説明など標準的な出題であったが、語の読みは出題されなかった。 また、書き下し文の問題では、原文に返り点をつけた選択肢は提示されなかった。問5・問6は、本文の記述と照らして、選択肢をしっかり検討する必要がある。
2018年度フレーム(大問構成) 2017年度フレーム
大問 分野 問数 マーク数 出典 大問 分野 問数 マーク数 出典
1
評論
6
11
有元典文・岡部大介『デザインド・リアリティ―集合的達成の心理学』
1
評論
6
11
小林傳司「科学コミュニケーション」
2
小説
6
9
井上荒野「キュウリいろいろ」
2
小説
6
9
野上弥生子「秋の一日」
3
古文
6
8
『石上私淑言』
3
古文
6
8
『木草物語』
4
漢文
6
8
李●(とう)『続資治通鑑長編』
(●は「壽」に「れっか」)
4
漢文
6
8
新井白石『白石先生遺文』
合計  36 合計  36
■設問別分析
第1問
全体として難解なものはない。ただし、問3は、新傾向の設問であり、戸惑った受験生もいただろう。また、本文の第16段落以降では独特の用語も使われており、そうした用語に戸惑った受験生は、問5や問6の(ii)などを紛らわしいと感じたかもしれない。基本的な読解力を養い、いろいろな設問形式に対応できるようになろう。
第2問
例年であれば解答を選びにくいことの多い問1(語句の意味の問題)と問6(表現についての問題)は、今年は解きやすい。他の設問では、傍線部前後の内容のみを根拠にして作られたと思われるものが多く、文章全体の内容を意識して解答を選ぼうとすると、かえって迷う可能性がある。特に問3と問5は、自信をもって正解を選ぶことが難しい。日頃から、傍線部に関係する内容を正確に読み取り、選択肢同士を丁寧に比較して答えを選ぶことを心がけよう。
第3問
問1は、例年通り語句の解釈問題で、(イ)以外は重要古語が問われているが、文脈を踏まえる必要もあった。問2は、例年通り文法問題で、2017年度追試験で初めて出題された品詞分解の形式を踏襲しており、適当でないものを選ぶ設問であった。問4は傍線部の内容についての説明問題であったが、解答の根拠となる箇所が例年に比べて広範囲に及んでいた。今年は問5・6の二問に傍線部がなかった。 重要古語・古典文法・古典常識など古文の基本を習得し、それを基に文章を読む練習を積まなければならない。
第4問
問1は語の意味の問題、問2は句の解釈の問題であったが、どちらも現代日本語でも用いられる字の理解がポイントとなっている。問3は白文の書き下し文と解釈が枝問形式で出題されたが、返り点の付け方は問われなかった。比較形に気づけば正答に近づける。問4の内容説明の問題は、文脈を押さえることが大切。問5の理由説明と問6の内容説明の問題は、選択肢の正誤判断が難しいので、本文の記述としっかり照らし合わせて考える必要がある。学習対策としては、基礎知識を習得し、文章を丁寧に読み解く訓練を重ねつつ、さまざまなジャンルの文章に触れておきたい。また、要点を的確に捉える力をつけることも肝要である。
■過去の平均点の推移
17年度 16年度 15年度 14年度 13年度
107.0  129.4  119.2  98.7  101.0 
※今年度の予想平均点速報はこちら
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