2016年度大学入試センター試験 地理B [分析]
新課程初年度であるが、出題分野など大きな変化はなかった。

大問は自然環境と自然災害、世界の工業、都市・村落と生活文化、地誌および比較地誌、地域調査で、これまでと同様に、6題構成。現代世界の諸課題がなくなり、地誌が2題となった。
難易度 やや易化
第1問から第3問は判断に迷う問題が少なく、比較的易しかった。第4問、第5問も一部を除くと判定しやすい問題であった。第6問は時間はかかるが難問はなかった。

出題分量
大問数は6題で同じだが、マーク数が36から35に減少した。

出題傾向分析
大問はさまざまな地図と地理的技能から1題(地域調査)、系統地理的考察のうち、自然環境から1題、資源と産業から1題、人口、村落、都市、生活文化、民族・宗教から1題、地誌的考察から2題出題された。新課程初年度であるが、地誌が2題出題されたこと以外は旧課程とほぼ同じで、統計表や統計地図、グラフなどの図表を多用し、図表の読み取りや基本的な知識とともに理解力を試す問題が中心である。
2016年度フレーム(大問構成) 2015年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 大問 分野 配点 マーク数
1
世界の自然環境と自然災害
17
6
1
世界の自然環境と自然災害
16
6
2
世界の工業
17
6
2
世界の農業
17
6
3
都市・村落と生活文化
17
6
3
都市と村落
17
6
4
ヨーロッパ
17
6
4
南アメリカ
17
6
5
インドと南アフリカ共和国
14
5
5
現代世界の諸課題
16
6
6
岩手県北上市とその周辺の地域調査
18
6
6
富良野市とその周辺地域の地域調査
17
6
合計  100 35 合計  100 36
■設問別分析
第1問
自然環境と自然災害に関する問題で、問1は4か所の震源分布、問2は火山と人間生活、問3はアフリカの4地域の植生の高さ、問4は湖の成因、問5は南アメリカの風向と降水量、問6は4か国の水資源が問われた。難易度は標準的。地形と気候に関する教科書的な知識で解答できる。問3の植生の高さは初めて出題されたが、気候区の分布から判断すればよい。
第2問
世界の工業の問題で、問1はアメリカ合衆国とヨーロッパにおける工業地域、問2は工業立地、問3は技術貿易の受取額、工業部門の二酸化炭素排出量、産業用ロボットの稼働台数の上位8か国の判定、問4は4か国の製造業の雇用者1人当たりの工業付加価値額とGDPに占める鉱工業の割合、問5は日本、ASEAN、アメリカ合衆国、中国の間の貿易額、問6は世界の工業化と産業地域が問われた。難易度は標準的。教科書中心の学習で十分対応できる。
第3問
都市・村落と生活文化の問題で、問1は4か国の1人当たりGDPと都市人口率の推移、問2は4都市の機能、問3は日本のある都市(一宮市)における人口密度、農業・林業就業者割合、老年人口割合の分布、問4は砺波平野の散村の特徴(写真使用)、問5は気候と伝統的住居、問6は南アジアの宗教別人口割合が問われた。難易度は標準的。問3は鉄道路線が集中しているところを都市の中心部と読み取り、人口密度が高く、農業・林業就業者割合は低いと考える。
第4問
ヨーロッパ地誌の問題で、問1は4地域の自然環境と土地利用、問2はライン川とドナウ川に面する都市、問3はEU加盟国の農業に関する3つの統計地図、問4は自国民と外国人の失業率、問5は3か国の地域間経済格差、問6はEU発足後のヨーロッパの地域経済が問われた。問3、問4は難易度が高いが、他は標準的。問3は集約的農業の行われるオランダなどは農地面積1ha当たりの農業生産額が多く、フランス、ドイツなどの西ヨーロッパ諸国は農業人口1人当たりの農業生産額が多いと考える。問4は消去法で考える。国群のカは失業率が高いので経済が破綻したギリシャが含まれる。逆に失業率が低いクは1人当たり所得が高いスイス、ノルウェーと考える。東欧は外国人労働者が少ないのでその失業率も低いとして、ケはハンガリー、ポーランドとする。
第5問
インドと南アフリカ共和国の地誌で、2か国の比較は新課程の教科書に新たに取り上げられていて、新課程を意識した出題である。問1は自然環境と農業、問2はBRICSの1人当たりGDPと輸出額に占める工業製品の割合、問3は鉱産資源、問4はイギリスとの関係からみた共通点、問5は社会の比較について問われた。難易度はやや難。問1の南アフリカ共和国における綿花プランテーションはあまりなじみがないが、教科書の図には記載がある。問2は1人当たりGDPの順で直ちに解答できるが、この数値は購買力平価と思われるので注記が必要である。問4、問5は消去法で解答せざるを得ない。
第6問
北上市とその周辺の地域調査の問題で、問1は鳥瞰図の判定、問2は地形図の読図、問3は写真の撮影地点の判定、問4は工業の変化、問5は岩手県全体の交通網と地域の産業や生活とのかかわり、問6は統計地図の表現方法が問われた。難易度は標準的だが、解答に時間を要するだろう。問4は東北地方では電気機械器具と輸送用機械器具では電気機械器具のほうが早くから立地していたという知識が必要である。問5は盛岡市が低位なのは通勤・通学者数に占める他市町村への通勤・通学者数の割合と1世帯当たりの自動車保有台数のいずれかであるが、盛岡市の通勤圏は岩手県南部には及ばないので、主題図マが通勤・通学者数に占める他市町村への通勤・通学者数の割合と判断する。
<地理A第5問との共通問題>
■過去の平均点の推移
15年度 14年度 13年度 12年度 11年度
58.6  69.7  61.9  62.2  66.4 
※今年度の予想平均点速報はこちら
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