2016年度大学入試センター試験 日本史B [分析]
新課程入試初年度であったが、設問内容は従来と比べ大きな変化はみられなかった。
第1問で6年続いていた会話文形式が消え、大学生と友人の日記を素材とする問題となった。
大問間の配点が変化した(第1問の配点が増加した)。

例年通り、地図を利用した問題や史料の読解問題がみられた。
文化史からの出題が増加し、政治史が減少した。
複数の時代をまたぐ設問が増加した。
図版を利用した問題が増加した。
難易度 昨年並み
多くの受験生が苦手とする文化史が増加したが、全体的にみると、難易度が高い設問は昨年に比べ多くはなく、大きな変化はみられない。

出題分量
大問数・マーク数ともに昨年と同じ

出題傾向分析
新課程入試初年度ということで注目していたが、大問数6題・マーク数36の全体構成は昨年と同じであった。 2006年度以来維持されてきた大問ごとの配点が若干変化した。
新課程では史料に対する批判的見方や歴史解釈の多様性がうたわれているが、設問内容としては、新課程らしさはみられなかった。
分野としては、文化史が増加し、政治史が減少した。形式面はほとんど変わらないが、4文正誤問題が若干減少(12問→10問)し、受験生が比較的苦手とする年代配列問題が微増した(3問→4問)。
統計資料の読み取り問題は出題されなかったが、昨年減少した図版を利用した問題が増加に転じた他、地図を利用した問題や文字史料の読み取り問題は例年通り多く出題されており、歴史資料をもとに考察させようとする姿勢は今年も維持されている。
過去のセンター試験の問題と類似した設問・テーマもみられ、過去問演習を中心にしっかりと学習した受験生は高得点が可能である。
2016年度フレーム(大問構成) 2015年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 大問 分野 配点 マーク数
1
史料としての日記
16
6
1
海を越えたさまざまな人の往来
12
6
2
原始・古代の漆と香の文化
16
6
2
原始・古代の農業と社会の変化
18
6
3
中世から近世初期までの政治・社会・文化
16
6
3
中世から近世初期までの政治・社会
18
6
4
近世の政治・社会・文化
16
6
4
近世の政治・経済・社会
17
6
5
明治期の地方制度
12
4
5
明治期の立法機関
12
4
6
日本とオリンピック
24
8
6
林芙美子の人物史
23
8
合計  100 36 合計  100 36
■設問別分析
第1問
6年続いていた会話文形式が消え、大学生とその友人の日記を素材とする問題文となった。Aの問題文では主として古代が、Bの問題文では中世〜近代の事項がとりあげられているが、設問では、Aでも中世〜近現代、Bでも原始・古代〜近代と複数の時代をまたぐ問題がみられ、原始〜近現代を総合的に問う形になっている。問5選択肢番号2は大唐米が中世に伝来したことを知っていれば誤文と判断できる。センター試験では歴史用語の時期を問う問題も頻出であり、注意したい。問6Xは教科書などに掲載されている就学率の変遷のグラフを学習していれば易しいが、難しく感じた受験生が多かったのではなかろうか。教科書などのグラフ・表にも着目した学習を心がけるとよいであろう。全体には標準的なレベルの問題である。
第2問
原始・古代の漆と香の文化をとりあげ、原始・古代の文化・外交・政治を総合的に問うている。Aでは漆をめぐる動向を、Bでは香木・香をめぐる動向を扱っている。問1で土偶が問われ、縄文時代からの出題は3年連続となった。原始の学習も怠らないようにしたい。また、問2・問4で史料の読解問題が出題された。いずれも教科書などには掲載のない史料であるが、設問文や「注」などに着目すれば正解できる問題である。センター試験の史料問題では、史料の「注」も重要な情報であることを知っておこう。全体には標準的なレベルの問題である。
第3問
Aでは鎌倉時代の武士の生活を、Bでは中世末期から近世初期の法や戦闘方法などを扱い、中世から近世初期を総合的に問うている。問2で図版を利用した出題がみられた。甲・乙とも教科書などでお馴染みの図版であり、取り組みやすかったであろう。教科書などの図版は日頃からしっかり見ておくようにしよう。問4では史料読解問題がみられたが、難易度は高くない。問6は大湊が城下町ではないことを判断させており、やや難易度が高い。全体には標準的なレベルの問題である。
第4問
Aでは徳川吉宗、Bでは只野真葛(工藤平助の長女)の人物史をとりあげ、近世を総合的に問うている。問2で地図を利用して近世の特産品と産地を問う問題が出題された。Xは紅花の代表的な産地が出羽であること、Yは西陣織が京都であることから判断したい。教科書に出てくる地名の地図上の場所を確実にチェックしておこう。問5は史料読解問題であるが、c文は史料からだけでは判断できず、知識との融合問題である。全体には標準的なレベルの問題である。
第5問
明治期の地方制度をテーマに、明治時代を政治を中心に問うている。問4の年代配列問題は、扱われている事項の年代は近接しているが、因果関係がわかっていれば容易にできる問題である。全体には標準的なレベルの問題である。〈日本史Aの第2問との共通問題〉
第6問
日本とオリンピックのかかわりを素材に近現代を総合的に問うている。Aでは大正・昭和初期の外交・文化などを、Bでは昭和戦中期の外交・文化を、Cでは占領期〜高度経済成長期の政治・社会を中心に問うている。問2では図版を利用した問題が出題された。Xは甲の図版の左側の「川端康成」を見つけられれば、誤文との判断ができよう。センター試験の図版問題では、こうした細かな注意力も必要である。問8では地図を利用して高度経済成長期の公害などを扱う問題が出題された。Yは美濃部亮吉が東京都知事であることを知らないと判断できない。問2・問5は近代の文化を扱っており、やや難易度が高い。全体的にみればやや難易度が高い問題である。〈日本史Aの第4問との共通問題〉
■過去の平均点の推移
15年度 14年度 13年度 12年度 11年度
62.0  66.3  62.1  67.9  64.1 
※今年度の予想平均点速報はこちら
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