2016年度大学入試センター試験 日本史A [分析]
例年通り、図版・地図・グラフを用いた出題が多くみられた。
従来、第2問で幕末・維新期が扱われていたが、幕末からの出題は「日米修好通商条約」のみだった。今年は新課程入試初年度であり、近現代史に特化した日本史Aの特徴がいっそう明確になった。
「現代の諸課題に着目して考察させる」という新課程の視点はあまりみられなかった。

大問2題が日本史Bとの共通問題であることは例年通り。ただし、従来は第3問・第5問が共通問題だったが、今年は第2問・第4問へと変化した。
難易度 昨年並み
防穀令・美濃部亮吉・伊波普猷・石橋湛山・関東軍特種演習など、センター試験としてはやや詳細な知識が問われ、昨年同様、難しかった。

出題分量
大問数は6題から5題に減少した。マーク数は34から32へと減少した。

出題傾向分析
形式では、語句の組合せ問題が減少する一方、年代配列問題・文と語句の組合せ問題が増加した。
時代では、上限は「日米修好通商条約」、下限は、「プラザ合意」だった。
分野では、政治史が減少し、文化史が増加した。
2016年度フレーム(大問構成) 2015年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 大問 分野 配点 マーク数
1
近代日本における洋装
20
6
1
日本の産業革命(石炭産業中心)
8
3
2
明治期の地方制度
12
4
2
幕末維新期の政治・社会
18
6
3
近代日本における動物と人間
19
6
3
明治期の立法機関
12
4
4
日本とオリンピック
24
8
4
近代の人口調査
15
5
5
大正期以降の日本における労働
25
8
5
林芙美子の人物史
23
8
6 6
近現代の日本の商社
24
8
合計  100 32 合計  100 34
■設問別分析
第1問
近代日本における洋装をテーマとする会話文を用いての総合問題。問3では女性の髪型に関する史料の読解が求められる。「髷」・「束髪」など馴染みのうすい用語が使われているが、会話文や注から「髷」=伝統的、「束髪」=文明開化的と読みとれればよい。全体には標準的なレベルの問題である。
第2問
明治期の地方制度をテーマに、明治時代を政治を中心に問うている。問4の年代配列問題は、扱われている事項の年代は近接しているが、因果関係がわかっていれば容易にできる問題である。全体には標準的なレベルの問題である。〈日本史Bの第5問との共通問題〉
第3問
近代日本における肉食、輸送手段としての馬、動物愛護運動、戦争と動物、伝染病と動物などをテーマとする2本の問題文を用いた問題。問5では『吾輩ハ猫デアル』の表紙・挿絵の図版が使用されたが、図版の読解は必要なかった。全体には標準的なレベルの問題である。
第4問
日本とオリンピックのかかわりを素材に近現代を総合的に問うている。Aでは大正・昭和初期の外交・文化などを、Bでは昭和戦中期の外交・文化を、Cでは占領期〜高度経済成長期の政治・社会を中心に問うている。問2では図版を利用した問題が出題された。Xは甲の図版の左側の「川端康成」を見つけられれば、誤文との判断ができよう。センター試験の図版問題では、こうした細かな注意力も必要である。問8では地図を利用して高度経済成長期の公害などを扱う問題が出題された。Yは美濃部亮吉が東京都知事であることを知らないと判断できない。問2・問5は近代の文化を扱っており、やや難易度が高い。全体的にみれば、やや難易度が高い問題である。〈日本史Bの第6問との共通問題〉
第5問
A大正期の労働運動、B戦時下の総動員体制、C戦後の労働運動をテーマとする問題文をもとに、当該期の政治・外交・社会経済・文化を総合的に問う。問8では「一次エネルギー供給(石油・石炭・水力)の構成比」のグラフが出題された。1960年代に石炭から石油へのエネルギー転換が起こったことを知っていれば、甲が石炭だと判断できる。全体には標準的なレベルの問題である。
■過去の平均点の推移
15年度 14年度 13年度 12年度 11年度
45.6  47.7  41.6  48.7  52.0 
※今年度の予想平均点速報はこちら
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