2016年度大学入試センター試験 現代社会 [分析]
基本的知識を重視する近年の傾向が踏襲されている。

大問数、設問数ともに変化なし。基本的知識重視の傾向や調べ学習からの出題は例年通り。図表問題は昨年と同じ2問であるが、条件文付きの図表問題が2年ぶりに出題された。空欄補充問題も2年ぶりに出題された。時事的動向を踏まえた問題として、燃料電池、ES細胞、青色発光ダイオードに関する功績によるノーベル賞受賞などが取り上げられている。
難易度 やや難化
基本的知識重視の傾向は変わらないが、後期高齢者医療制度などについての正確な知識や、らい予防法廃止の時期・国際裁判所に関する知識などやや細かな知識について問われている。

出題分量
大問数、設問数ともに変化なし。

出題傾向分析
昨年と同様、制度や政策、現状を問う問題を中心として、各分野から偏りなく出題されている。基本的知識重視の傾向にも変化なし。
2016年度フレーム(大問構成) 2015年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 大問 分野 配点 マーク数
1
幸福追求と利害調整
22
8
1
日本社会の諸問題(職業をめぐる法制度、知識や思考方法、消費者問題、基本的人権、裁判制度、調べ学習を含む)
22
8
2
現代社会の特質
14
5
2
市場メカニズムと政府の役割(株式会社、需給曲線、技術革新など)
14
5
3
環境問題と政府の役割
22
8
3
経済のグローバル化と地域的経済統合(為替、景気変動、選挙制度を含む)
22
8
4
国民経済と景気循環
14
5
4
人間と自然との関わり(環境問題、農業問題、エネルギー問題を含む)
14
5
5
青年期と青年を取り巻く社会・経済状況
14
5
5
人間と社会(情報化社会、マズローの欲求階層説、他人指向型を含む)
14
5
6
グローバル化の進展と国際社会の平和と安定
14
5
6
国際社会の諸問題(国際法、国際連合の仕組み、開発援助、人間の安全保障を含む)
14
5
合計  100 36 合計  100 36
■設問別分析
第1問
幸福追求について論じた本文をもとに、日本における基本的人権の保障をめぐる問題や労働問題、市場の限界と政府の役割など、政治・経済全般にわたって出題されている。図表の読取り問題も出題されている。景観権についての知識を問う問1や平等の推進のための取組みを問う問7は、やや難しい。教科書の注や図版にまで注意を払う必要がある。
第2問
現代社会における人間のあり方について論じた本文をもとに、大衆社会の特質、消費者問題、科学技術の進展の動向などが問われている。「調べ学習」も出題されている。問3では、社会的な関心が高まっている燃料電池の仕組みを問う問題が出された。教科書の学習に加え、日頃から現代社会の動向に関心を持っておくことも必要である。
第3問
環境問題をめぐる会話文をもとに、環境問題への取組みとして循環型社会、環境法制や理念などが問われているほか、地方自治、選挙、外部不経済、財政、地域振興など政治・経済全般にわたる知識が問われている。3Rの優先順位や事務監査請求の提出先など細かな点まで正確な知識が求められているが、全体としては教科書の範囲内の学習で対応できる。
第4問
国民所得指標について論じた本文をもとに、景気変動、日本経済、通貨・金融、GDPなど経済分野の重要な問題が問われている。図表問題も出題されており、昨年は出題されなかった、条件文を参照しながら図を読み解く形式が復活した。知識問題は教科書の範囲内の学習で対応できる。
第5問
留学経験を綴った手紙をもとに、青年期の特徴、国際金融・国際貿易、日本の社会保障、貨幣など幅広い分野から出題されている。G20金融サミット開催時期に関する問2や、確定拠出型年金制度導入に関する問4は、個別の選択肢としてはやや細かな事柄が取り上げられているが、教科書の範囲内の学習で正解を確定することは可能である。
第6問
グローバル化の進展について論じた本文をもとに、国際法、国際紛争、国際裁判、軍縮、国際経済などが取り上げられている。問4では、日本が国際司法裁判所の当事国になったことがあるかどうか、常設仲裁裁判所が廃止されたかどうか、国際海洋法裁判所が設立されたかどうかなど、かなり細かな知識が取り上げられており、日頃からニュース報道に関心を持っていなければ正解を確定することが困難である。
■過去の平均点の推移
15年度 14年度 13年度 12年度 11年度
59.0  58.3  60.5  52.1  61.8 
※今年度の予想平均点速報はこちら
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