2016年度大学入試センター試験 化学 [分析]
大問は必答5題、選択1題(第6問、第7問)の6題構成に変化した。昨年、選択問題であった合成高分子化合物、天然有機化合物は、一部、必答問題としても出題された。

選択問題の配点は6点で昨年の9点より低い。計算問題は11問(必答10問、選択1問)、正誤問題は10問(いずれも必答問題)で昨年と大きな変化はなかった。
難易度 やや難化
従来の問題とは切り口の異なる問題や、かなり応用力を要する問題が出題され、また、選択肢の数が7や8の問題が増えたことから、やや難化した。

出題分量
大問数は増えたが、マーク数は30(第6問選択)、29(第7問選択)で、昨年の29とほぼ同じであり、分量は昨年と大きな変化はなかった。

出題傾向分析
「化学基礎」を含む化学の全範囲から出題されたが、「化学基礎」の範囲の酸・塩基は出題されなかった。第1問が物質の構成、物質の状態、第2問が物質の変化と平衡で、いずれも理論分野からの出題、第3問が無機物質、第4問が有機化合物からの出題で、昨年と同じであった。第5問、第6問、第7問は、合成高分子化合物と天然有機化合物からの出題で、第5問は必答問題であった。教科書に記載されている基本事項に関する設問が中心であるが、過去の問題とは異なる切り口の問題や難度の高い問題もあった。また、間違いやすい選択肢が含まれている設問もあり、注意力が要求される。
2016年度フレーム(大問構成) 2015年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 テーマ 大問 分野 配点 マーク数 テーマ
1
物質の構成、物質の状態
23
6
物質の構成、気体、溶液
1
物質の構成、物質の状態
23
6
物質の構造、濃度、気体、コロイド
2
物質の変化と平衡
23
6
化学反応と熱、化学変化とエネルギー、電離平衡、化学平衡、酸化還元
2
物質の変化と平衡
23
6
化学反応と熱、化学平衡、電気分解、溶解度積、酸化還元
3
無機物質
23
8
非金属元素、金属元素、化学反応と量的関係
3
無機物質
23
7
非金属元素、金属元素、化学反応と量的関係
4
有機化合物
19
5
脂肪族化合物、芳香族化合物
4
有機化合物
22
7
脂肪族化合物、芳香族化合物
5
合成高分子化合物、天然有機化合物
6
2
合成繊維、天然ゴム、機能性高分子、糖
5
合成高分子化合物
9
3
合成樹脂、合成繊維
6
合成高分子化合物
6
3
合成ゴム、合成高分子化合物
6
天然有機化合物
9
3
糖類、核酸、アミノ酸
7
天然有機化合物
6
2
ペプチド、核酸
7
合計  100 合計  100 29
■設問別分析
第1問
原子とイオンの電子配置、金属の結晶格子、水上置換で捕集された気体の物質量、希薄溶液の性質、化学量計算について出題された。問2の面心立方格子の断面図の原子の配置は、過去に出題例がなく、また、思考力を要する設問である。問3は水の飽和蒸気圧を考慮できたかがポイントである。問2、問3以外の設問は、計算問題、正誤問題も含めて、いずれも基本事項が理解できていれば解答できる問題であり、問題演習を通じて基本事項を理解していれば答えられる。
第2問
反応熱の計算、物質の変化とエネルギー、炭化水素の燃焼熱と発生する二酸化炭素の量、電離平衡、化学平衡、酸化還元と量的関係が出題された。問2は、エネルギーに関する総合的な正誤問題であり、光エネルギー、電気エネルギー、活性化エネルギー、生成熱が扱われた。問4では、酢酸と塩酸の混合溶液中の酢酸イオン濃度が問われており、教科書に載っている式を暗記しているだけでは解答できず、電離平衡をしっかりと理解していることが要求された難しい問題であった。問6は、等量の還元剤と反応する酸化剤の量を比較する問題であり、電子の物質量に着目することがポイントであった。 物質の変化とエネルギーに関しては、定義を押さえたうえで、計算問題の演習を積んでおきたい。化学平衡は、平衡定数を用いた計算とルシャトリエの原理を押さえておこう。また、「化学基礎」の範囲である酸化還元が2年連続で出題されているので注意しておこう。
第3問
水素、金属単体および合金、ナトリウムの単体と化合物、周期表と物質の性質,金属イオンの分離、鉄ミョウバンの純度の計算が出題された。 問4は、周期表で示された元素と関連した物質の性質を問うやや難しい問題であった。問5の金属イオンの分離操作に関する設問は、硫化物の沈殿が生じる条件を考える必要がある。これ以外の問題は標準的なレベルの問題であった。無機物質に関する教科書に記載されている事項をまとめ、問題演習を通じて知識を定着させておきたい。また、化学量計算も出題されるので、計算力をつけておきたい。
第4問
炭化水素の構造、フェノールとその塩の反応、不飽和脂肪酸の炭化水素基の化学式の決定、不飽和化合物の幾何異性体の数、アセチレンの製法と反応・量的関係が出題された。問1、問2は基本事項を問うものであった。問3は不飽和結合の数に着目できたかがポイントで、気づけなかった受験生には難しかったであろう。問4の複数の二重結合をもつ化合物の幾何異性体の数は、過去に出題例がなく、また、注意力が問われる問題であった。問5は、アセチレンが臭素に比べて過剰に存在することに気づかないと正解に至らず、やや難しい。有機化合物に関する基礎知識をしっかり身につけるとともに、過去問の演習を積み重ねて応用力を養う必要がある。
第5問
高分子の性質と用途、糖が出題された。 いずれも正誤問題で、問1は高分子に関して、イオン交換樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ゴム、高吸水性高分子が出題され、細かい知識が要求される。問2は単糖類、二糖類に関する基本的内容の問題であった。教科書に記載されている事項をまとめ、過去問演習などで知識の定着をはかりたい。また、合成高分子と天然有機化合物の両方を学習しておく必要がある。
第6問
アクリロニトリル−ブタジエンゴムの重合比の計算、ポリメタクリル酸メチルとナイロン6の単量体の構造が出題された。高分子の計算は、苦手とする受験生が多い。代表的な合成高分子化合物の構造と性質を覚え、高分子の計算問題にも対応できるように準備しよう。
第7問
トリペプチドの窒素含有率の計算、DNAの塩基対の構造が出題された。DNAについては、学習が手薄な受験生も多かったものと思われる。天然有機化合物の構造と性質に関する知識を身につけておこう。
■過去の平均点の推移
15年度
62.5 
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