2016年度大学入試センター試験 英語(筆記) [分析]
昨年の本試験と比較すると、第5問の長文読解問題が新傾向の物語文となった。それ以外は昨年の本試験とほぼ同じ形式であった。

難易度 昨年並み
新傾向の第5問に戸惑った人もいるかもしれないが、各大問の難易度はすべて昨年並みであった。

出題分量
総語数は昨年に比べて約130語減って約4290語になった。問題別では、第3問A、第3問B、第3問C、第4問B、第6問で減少し、第4問A、第5問で増加した。

出題傾向分析
昨年の本試験で、2014年度の追試験の第2問Cの形式の問題が出題されたが、今年は昨年の追試験第5問の形式(物語)が出題された。
2016年度フレーム(大問構成) 2015年度フレーム
大問 分野 配点 マーク数 word数 テーマ 大問 分野 配点 マーク数 word数 テーマ
1
A発音
Bアクセント
6
8
3
4
12
16
 
 
1
A発音
Bアクセント
6
8
3
4
12
16
 
 
2
A文法・語法
B語句整序
C応答文完成
20
12
12
10
6
3
209
86
184
 
 
 
2
A文法・語法
B語句整序
C応答文完成
20
12
12
10
6
3
223
75
182
 
 
 
3
A対話文完成
B1不要文選択
B2不要文選択
B3不要文選択
C発言の主旨
8
5
5
5
18
2
1
1
1
3
148
98
135
130
620
 
「日本の科学教育の現状」
「日常生活における試行錯誤」
「2種類の空腹感」
「異文化理解」
3
A対話文完成
B1不要文選択
B2不要文選択
B3不要文選択
C発言の主旨
8
5
5
5
18
2
1
1
1
3
142
99
129
148
641
 
「切手収集」
「通貨としての塩」
「TV番組の開始・終了時間」
「迷信」
4
A図表問題(図およびグラフ)
B図表問題(広告)
20
15
4
3
682
333
「アメリカにおけるオレンジ輸入と生産」
「美術館に関するウェブサイト」
4
A図表問題(図およびグラフ)
B図表問題(広告)
20
15
4
3
641
369
「SNSのリスク」
「ウェブサイトでのキャンプ場の案内」
5
長文読解(物語)
30
5
877
「ジョンおじさんがシェフになったきっかけ」
5
長文読解(メール・手紙)
30
5
854
「父親と担任教師とのメール」
6
長文読解(論説文)
36
9
758
「オペラが直面する問題」
6
長文読解(論説文)
36
9
854
「科学調査への市民参加」
合計  200 55 合計  200 55
■設問別分析
第1問
昨年までと同じくAとBの2部構成で、Aは発音問題3問、Bはアクセント問題4問。難易度は昨年並み。カタカナ語は、一昨年が8語、昨年が5語出されていたが、今年はtiger, curtain, charityの3語だった。授業の予習・復習をする時や長文問題を解く時に出会う標準レベルの単語を辞書で調べる際に、意味だけでなく発音とアクセントもチェックする習慣をつけるようにしよう。
第2問
Aは文法・語法問題で、昨年と同様に問題数は10問であった。問8〜問10は、昨年と同様に、文中の2つの空所に入れるのに適切な語句の組み合わせを選ばせる問題であったが、昨年に比べてやや難しかった。ただし、その他の問題が難しくはないので、全体的な難易度は昨年並み。普段から、いわゆる「四択問題」がたくさん載っている問題集を使って、練習を積むことが大切である。
Bは語句整序問題で、昨年と同様に問題数は3問であった。問3は、一見すると動詞が4つあるように見えるので、やや難しかったかもしれない。ただし、問1が解きやすく、問2が標準的な問題だったので、全体的な難易度は昨年並み。文意をぼんやりと考えるだけでなく、文法・語法・構文・イディオムに関する「英語の知識」を活用するとどのような英文が作れるのかを考えながら解くようにすること、そして自分の作った英文が意味をなすかどうかを必ずチェックすることが大切である。
Cは応答文完成問題で、昨年と同様に問題数は3問であった。難易度は昨年並み。場面に即した応答文を作ろうとするばかりでなく、語句整序問題を解く場合と同様に、「英語の知識」を活用して英文を作ることが大切である。
第2問全体の難易度は昨年並み。
第3問
Aは対話文完成問題で、昨年と同様に問題数は2問であった。昨年は2問とも5発話の会話文が出されたが、今年は問1が4発話であった。難易度は昨年並み。「この場面なら普通はどんな発話をするのか」を文脈から考えて答えを選ぶように心がけるのが大切だが、特に空所の後ろの発話がヒントとなっていることが多いことに注意しよう。
Bは不要文選択問題で、昨年と同様に問題数は3問であった。昨年は下線部が連続している問題ばかりであったが、今年は下線部が離れている問題が1問出された。難易度は昨年並み。文章の展開を考えながら、その展開に合わない文を選択する問題なので、普段から長文問題を読むときに文脈を意識した読み方を心がけるようにしよう。この形式のセンター試験の過去問は今年の問題を含めても3年分しかないので、まずは過去2年間のマーク模試の過去問を入手して解くのが良い練習となるだろう。
Cは「異文化理解」に関して大学の学生と教授との間で行われたやりとりにおける発言の主旨を選ぶ問題で、昨年と同様に問題数が3問であった。昨年までは、発言者が意見を述べた直後にまとめ役が主旨を述べる形式ばかりだったが、今年は3つめの設問で、発言者(学生)とまとめ役(教授)のやりとりがしばらく行われ、発言者がまとめ役の意見の主旨を述べる、という新しい形式が出されたので、やや解きにくかったかもしれない。難易度は昨年よりやや難。「各発言者がどんな立場から発言しているのか」を常に考えながら読み進める姿勢を身につけよう。過去10年間出されている形式なので過去問が豊富にあるし、またマーク模試の過去問も利用できるので、それらを解くことが有効な対策となるだろう。
第3問全体の難易度は昨年並み。
第4問
Aは「アメリカにおけるオレンジの輸入と生産」に関する図表問題で設問数は昨年と同じく4問。問3で本文の目的、問4で最終段落に続く部分のトピックを問う問題が昨年と同様に出題された。難易度は昨年並み。本文をしっかりと読み、グラフや表に注意深く目を通し、各選択肢と本文やグラフ・表を正確に読み取ることが大切である。
Bはウェブサイト上の「美術館の紹介」についての情報を読み取る問題で、昨年と同形式であった。難易度は昨年並み。設問を先に読んで、どのような情報について設問が作られているのかを把握してから広告や書類を読むようにすれば、「設問を解くのに必要な情報」が探しやすくなる。
第4問全体の難易度は昨年並み。対策としては、日頃からグラフ・表に注目し、そこで使用されている用語も覚えておくとよい。
第5問
本試験では今年新しく出題された形式。従来のメールやブログの内容に関する問題から、物語の内容を問う問題に変わった。「ジョンおじさんがシェフになったきっかけ」の8パラグラフ構成の物語で、登場人物の関係をしっかり把握する必要がある。設問数は5問で難易度は昨年並み。この形式は昨年の追試験で出題されたものであり、河合塾では、2015年度第3回全統マーク模試の第5問にて物語文を用いた長文読解を出題している。この模試を受験した生徒は新傾向にとまどうことなく有利だっただろう。
対策としては、700語前後の物語文を15〜20分間で解く練習をするとよい。練習問題として2007年度以前のセンター試験第6問は物語文が出題されていたので過去問の第6問を解くとよい。
第6問
「オペラの直面する問題」に関する論説文の長文読解問題。設問はAとBの2部構成で昨年と同じ。
Aの問2で下線部の意味を求める問題は、昨年までの難しい単語やイディオムの意味ではなく、But what about opera singers?を本文の内容に即した具体的な表現を選ぶものに変わった。また昨年までは本文にタイトルが記載されていたが、今年はその記載がなくなり、Aの問5でタイトルを問う問題が出題された。
Bの段落の主旨を選択する問題は、昨年と同様に空所は4つであった。
設問を含めた総語数は約100語減ったが、難易度は昨年並み。 段落番号が打たれていて、設問と段落の対応が分かりやすくなっていることなどから第6問に15〜20分を確保できれば解答できるはずである。
対策として、600語前後の論説文を15〜20分間で解答する練習をしてほしい。学校教材の副読本や2008年度以降のセンター過去問を解くと実力が上がるだろう。
■過去の平均点の推移
15年度 14年度 13年度 12年度 11年度
116.2  118.9  119.2  124.2  122.8 
※今年度の予想平均点速報はこちら
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